バケモノの子
- 2015/08/24
- 21:47
前々回の話の続きになるが、一昨日、「バケモノの子」を観に行った。渋谷のTOHOシネマ。
映画館に映画を観に行くのは久し振りだ。「ピアノマニア」以来ではないだろうか? いや、「プロメテウス」以来……か? いずれにしても、最後に映画館に行ったのはもう何年か前だ。
最近は、ネットで席の予約も出来る。観に行く映画と、日時が決まっていればこんな便利な話はない。
バケモノの子の監督、細田守の映画で初めて観たのは、「サマーウォーズ」だった。
正直、あまりピンとは来なかった。まあ、面白くはあったんだけど……。
その後、テレビで「おおかみ子供の雨と雪」を観た。これが結構面白かったので、残った「時をかける少女」も借りて来て観た。これも良かった。
宮崎駿のように、何かしら「大きなテーマ(例えば、『自然と人類の共生』だとか……)」を扱う監督ではないが、もっとプライベートな人間の感情の彩のようなものに焦点を当てて描くのが得意な監督のようだ。
この「バケモノの子」の主人公「九太」は、事故で母を失い孤児同然になるのだが、親戚に引き取られるのを嫌い、家出をする。ストリートチルドレンよろしく渋谷をうろついていた九太は、警察に保護されそうになったところで、偶然にも「バケモノの世界」に迷い込み、そこで強いが無骨なバケモノ「熊徹」に出会う。
この映画は、「親を失った人間の子供」が、「無骨なバケモノ」に師事することで、お互いが成長して行く話だ。
※渋谷が舞台になっているが、映画の中ではかなり細かく渋谷の街が再現されている。
細田守監督の作品では、たびたび「亡き父の影を追い求める息子」の姿が描かれて来た。
「おおかみ子供の雨と雪」でも、姉の「雪」が狼であることを捨てて、人間の社会に入って行こうと懸命になるのに対し、弟の「雨」は亡き父の影を追うようにして、狼として山へと戻って行く。
この「バケモノの子」の中でも、「父と息子の絆」が大きなテーマとなっている。
この「父の影を追う息子」の姿は、この先、何度も細田守監督の作品に登場するものと思われる。
そういえば、宮崎駿監督の作品にも「強い女性」がよく登場する。
「ナウシカ」でいうとクシャナ。「もののけ姫」でいうとエボシ。「ラピュタ」でいうとドーラ。いずれも、男勝りの強さで「群れ」を率いている。しかし、その強さは「権力」とは無縁だ。
細田守監督の中の「父の影を追い求める息子」にしても、宮崎駿監督の「強い女性像」も、二人の何らかの強烈な原体験の投影だろう。
まあ、そんな中途半端な注釈は抜きにしても、「バケモノの子」は楽しめる作品になっている。
僕が座った席の左隣は四人組の若い女の子達、右隣は30代(40代?)のカップルだった……が、映画が終わって場内の明かりが点くと、左隣の女の子達も、右隣のカップルもみな泣いていた。
必ずしも「涙が出る」=「感動的」ではないと思うが、このバケモノの子は感動できるストーリーの映画だった。
僕も、部屋でビールでも飲みながら一人で観ていたら、絶対に泣いたと思うが、昭和のおじさんは「男は人前で泣いてはならない」と思っているので、我慢して泣かなかった。
もし、東京近郊にお住いの方で、これからこの映画を観に行く方がいらっしゃったら、是非とも渋谷のTOHOシネマで観ることをお勧めします。
映画が終わって、外に出ると、そこにはさっきまで映画の中で激しい戦闘が繰り広げられていた渋谷の街があって、何だかとても得をした気持ちになれます。
映画館に映画を観に行くのは久し振りだ。「ピアノマニア」以来ではないだろうか? いや、「プロメテウス」以来……か? いずれにしても、最後に映画館に行ったのはもう何年か前だ。
最近は、ネットで席の予約も出来る。観に行く映画と、日時が決まっていればこんな便利な話はない。
バケモノの子の監督、細田守の映画で初めて観たのは、「サマーウォーズ」だった。
正直、あまりピンとは来なかった。まあ、面白くはあったんだけど……。
その後、テレビで「おおかみ子供の雨と雪」を観た。これが結構面白かったので、残った「時をかける少女」も借りて来て観た。これも良かった。
宮崎駿のように、何かしら「大きなテーマ(例えば、『自然と人類の共生』だとか……)」を扱う監督ではないが、もっとプライベートな人間の感情の彩のようなものに焦点を当てて描くのが得意な監督のようだ。
この「バケモノの子」の主人公「九太」は、事故で母を失い孤児同然になるのだが、親戚に引き取られるのを嫌い、家出をする。ストリートチルドレンよろしく渋谷をうろついていた九太は、警察に保護されそうになったところで、偶然にも「バケモノの世界」に迷い込み、そこで強いが無骨なバケモノ「熊徹」に出会う。
この映画は、「親を失った人間の子供」が、「無骨なバケモノ」に師事することで、お互いが成長して行く話だ。
※渋谷が舞台になっているが、映画の中ではかなり細かく渋谷の街が再現されている。
細田守監督の作品では、たびたび「亡き父の影を追い求める息子」の姿が描かれて来た。
「おおかみ子供の雨と雪」でも、姉の「雪」が狼であることを捨てて、人間の社会に入って行こうと懸命になるのに対し、弟の「雨」は亡き父の影を追うようにして、狼として山へと戻って行く。
この「バケモノの子」の中でも、「父と息子の絆」が大きなテーマとなっている。
この「父の影を追う息子」の姿は、この先、何度も細田守監督の作品に登場するものと思われる。
そういえば、宮崎駿監督の作品にも「強い女性」がよく登場する。
「ナウシカ」でいうとクシャナ。「もののけ姫」でいうとエボシ。「ラピュタ」でいうとドーラ。いずれも、男勝りの強さで「群れ」を率いている。しかし、その強さは「権力」とは無縁だ。
細田守監督の中の「父の影を追い求める息子」にしても、宮崎駿監督の「強い女性像」も、二人の何らかの強烈な原体験の投影だろう。
まあ、そんな中途半端な注釈は抜きにしても、「バケモノの子」は楽しめる作品になっている。
僕が座った席の左隣は四人組の若い女の子達、右隣は30代(40代?)のカップルだった……が、映画が終わって場内の明かりが点くと、左隣の女の子達も、右隣のカップルもみな泣いていた。
必ずしも「涙が出る」=「感動的」ではないと思うが、このバケモノの子は感動できるストーリーの映画だった。
僕も、部屋でビールでも飲みながら一人で観ていたら、絶対に泣いたと思うが、昭和のおじさんは「男は人前で泣いてはならない」と思っているので、我慢して泣かなかった。
もし、東京近郊にお住いの方で、これからこの映画を観に行く方がいらっしゃったら、是非とも渋谷のTOHOシネマで観ることをお勧めします。
映画が終わって、外に出ると、そこにはさっきまで映画の中で激しい戦闘が繰り広げられていた渋谷の街があって、何だかとても得をした気持ちになれます。
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